速記の利用可能性  

2010年 2月11日(木)

 速記の使い方は、人によって様々です。
 したがって、みんなの速記、国民皆速記を実現するために、人に教える速記法 は、できるだけ利用可能性の高い、できるだけ利用可能性の広い速記法であるこ とが望ましいと思います。
 1分間350字、5分間1750字の高速度速記競技会をノーミスで優勝でき ること、これは望ましい条件だと思います。(2009年衆議院式)
 1分間320字、10分間3200字の1級試験に合格できる速記法であるこ と、これは必要な条件だと思います。
 1分間320字、10分間3200字のA級をノーミスで優勝できること、こ れも望ましい条件だと思います。(2009年中根式)
 そのほかに、私が考えているのが、NHKラジオのニュース5分間が全音正確 に書き取れる速記法であること、NHKラジオの気象通報20分間が全音正確に 書き取れる速記法であること、NHKラジオの株式市況45分間が全音正確に書 き取れる速記法であることです。
 さらに、NHKラジオの英語会話やNHKラジオの中国語会話が書き取れる速 記法であれば、さらに望ましいと考えています。
 私は、2010年2月7日、大阪市で開かれた速記懇談会で、私の速記法が 「NHKラジオの気象通報20分間が全音正確に書き取れる速記法であること」 を証明して見せました。
 気象通報は、あまりスピードが速くないし、発音が明瞭だし、地名、方位、数 字がたくさん出てくるので、速記文字を正確に書くためのとても良い練習になる と思っています。20分間ですので、速記持久力を養うことにもなります。
 委員会で10分間の速記を担当する場合、座席に座って座席を立つまでに約1 5分間速記しなければなりませんから、20分間書く練習は、とても良い実地訓 練になります。
 気象通報の全音速記がきちんと書けるかどうかは、基本のしっかりした速記法 であるかどうかを判断するのに非常に有効です。
 皆さんも、ぜひ気象通報を書いてみて、自分の速記法の利用可能性を再認識し てもらいたいと思います。
 国権の最高機関である国会の記録は、何よりも正確でなければなりません。
 速記、録音、録画、音声認識、文字認識等を有効に使って、今後とも正確な記 録を残していっていただきたいと思います。
 人任せ、録音任せにすることなく、現場取材を大切にしていただきたいと思い ます。
 人の話を理解できるのは人だけなのです。
 人の話を文章化できるのも人だけなのです。
 速記を書くと、話の内容が頭に入ります。人の顔や名前や声や物の考え方もわ かります。使った資料をもらえる場合もあるでしょう。
 現場に出ることでいろいろな情報を吸収することができるのです。
 今後も、現場取材を大切にしていただきたいと思います。
 録音は何度でも聞けますが、生の声は一度しか聞くことができません。
 現場を大切にしてください。

埼玉の速記兄ちゃん